秘密恋愛




「私は、お父さんとお母さんに絶縁される覚悟で話をしたの。だから何を言われても私の気持ちは変わらない。私と親子の縁を切るって言うなら、それでも構わない。出て行けと言われたら出て行く」



私はお父さんとお母さんの目を見てそう言った。



「…………わかった」



しばらくの沈黙のあと、お父さんがポツリと呟くようにそう言った。



「産みなさい……」


「あなた!」



お父さんの言葉にお母さんが叫ぶようにそう言った。



「お父さん、ありがとう!」



お父さんは産むことを許してくれた。


でも……。



「私は許さないから!産むことには絶対に反対よ!」



お母さんはそう言って、泣きながらリビングを出て行ってしまった。


リビングのドアを見つめる。


お母さん、ゴメンね……。


お母さんが反対する気持ちもわかる。


だけど、私は聖夜さんとの子を産みたいの。




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