秘密恋愛
「雪乃は何も気にしなくていい」
「お父さん……」
「お父さんがお母さんを説得するから」
「ゴメンなさい……」
「もう休みなさい」
お父さんはそう言ってリビングを出て行こうとした。
「お父さん!」
リビングを出て行こうとしたお父さんを呼び止める。
「ん?」
振り向いたお父さん。
「私、この家を出て行くね……」
「えっ?」
目を見開き私を見るお父さんは、しばらくして我に返り、私の側に来た。
「お前、出て行くって、どこに?」
「友達のとこ」
「友達?友達って、学校のか?」
「ううん」
私はお父さんにレイナさんのことを話した。
どういった経緯で知り合ったのかも。
全て包み隠さずに。