秘密恋愛
「雪乃?」
「ん?」
「これ……」
お母さんはそう言って差し出したもの。
それは白とピンクの毛糸でレース編みされたお包みだった。
「このお包みね、雪乃を妊娠中にお母さんが編んだの」
「えっ?お母さんが?」
既製品かと思った。
それくらい可愛くて素敵なお包み。
「もし良かったら使って?」
「いいの?」
「もちろん!」
「ありがとう!」
私はお母さんからお包みを受け取った。
私が赤ちゃんの時に使っていたものを、自分の子供に使えるなんて素敵なこと。
私はそれを丁寧に畳み、キャリーバッグの中に入れた。