秘密恋愛
「戻って来ない?」
「えっ?」
お母さんの言葉に、キャリーバッグからお母さんへと目を移す。
「戻ってらっしゃい。ねっ?」
優しい笑顔でそう言ったお母さんは、いつものお母さんだ。
「いいの?」
「えぇ」
でも……。
レイナさんにちゃんと話をしてからじゃなきゃいけない。
「お母さん?」
「ん?」
「あのね……」
私は、お母さんにレイナさんのことを話した。
どういう友達かも。
お父さんに話したように包み隠さず全て話した。
「そう……。いいお友達を持ったわね」
「うん」
「じゃあ、レイナさんにちゃんと話をして戻ってらっしゃい。週末だったら迎えに行ってあげるから」
「うん」
お母さんと和解したことを話したら、レイナさんはどんな反応を見せるだろう……。
喜んでくれたらいいけど……。