秘密恋愛
聖夜さんが玄関を開けた途端……。
「遅くなってゴメンね~」
そう言った若い女性の声が聞こえてきた。
「遅いよ」
元気のいい女性の声に対して、静かな聖夜さんの声。
「ゴメンって~」
ゲラゲラ笑う女性。
本当に知り合い?
もしかして知り合い以上の関係なのかも……。
彼女、とか……。
その時、私の胸がチクンと痛んだ。
それがズキズキとした痛みに変わる。
ズキズキとモヤモヤが交差していく……。
胸のモヤモヤは、さっき感じたものと違っていた。
言葉に表せないモヤモヤとズキズキと痛む胸。
耳に聞こえる元気な女性の声と笑い声。
それが凄くイライラさせて泣きそうになる。
私は膝をギュッと抱え、そこに顔を埋めた。