秘密恋愛



離された後も、女性は目をキラキラさせながら私を見ている。



「怖がらなくても大丈夫だからね。このオバちゃんは人間は喰わないから……」



別に怖がってるわけじゃなく、いきなりの事にビックリしただけで……。


でも人間は喰わないからって……。



「ちょっと!アキ?それ、どういう意味よ!それにオバちゃんってねぇ!私は、まだ21歳ですけどぉ?」



女性はそう言って聖夜さんを見る。



「アキ……?」



そう、思わず口に出した言葉。


女性は聖夜さんのことをアキって呼んだ。



「コイツの名前」



女性は再び私の方を見ると、そう言った。


そして「本名は知らないけどね」と、付け加え、クスッと笑った。




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