秘密恋愛
「へぇ……。じゃないわよ!ホントに凄いの見たんだから!」
「何を見たの?」
聖夜さんは、テーブルの上に置いてあるノートパソコンを開けながらそう言った。
「殺人事件!」
それを聞いて、私の体が再びビクンと跳ねる。
やっぱり……。
「殺人事件、ねぇ……」
その事件を起こした本人は、なんとも呑気だ。
「そこの公園で、女性の遺体が発見されたんだって!胸を刺されてたらしいよ。公園には野次馬がいっぱいいたし、警察官とかも凄くて!」
「あぁ、それでパトカーや救急車のサイレンがうるさかったわけだ」
興奮気味に話をするレイナさんとは対称的に冷静な聖夜さん。
立ち上げたノートパソコンを操作しながら、そう言った。
その時、一瞬、聖夜さんと目が合う。
冷たい視線にも関わらず、ドキンと胸が鳴り、怖さとかじゃなく、恥ずかしさで顔を下に向けた。