秘密恋愛
「あ、ホントだ。ネットニュースに載ってる」
「ねっ?だから言ったでしょ?」
レイナさんは私の傍から離れ、聖夜さんの隣に座ると、パソコンの画面を見始めた。
「被害者は20代の女性かぁ。まだ名前とかわかってないのかなぁ?」
「明日にはわかるんじゃないかな?」
「殺された動機とか何だろうね?」
「さぁ?」
そんな会話が聞こえてくる。
殺された動機は、私にもわからない。
だけど、犯人はわかってる。
レイナさんの隣にいる人が犯人で……。
それが言えたら楽なのに……。
その時、視線を感じて顔を上げた。
再び聖夜さんと目が合う。
少し微笑んだような顔で私を見ている。
レイナさんはパソコンの画面に釘付け。
さっきは感じなかった恐怖。
でも今は、聖夜さんの微笑んだような顔が少し怖いと感じていて、彼の微笑んでる意図がわからないから余計に怖い。