秘密恋愛




「何?途中で止めたら気になるでしょ?」


「いや、でも……」


「いいから教えて?」



どうしよう……。


聖夜さんは本当に人を殺めたのか……。


そんなことを聞こうとしたことを後悔していた。


でも話を途中で止めたら気になるのは私も同じだ。


もし、私が聖夜さんの立場なら同じことを言ってたかもしれない。



「聖夜さんは、本当に人を殺めたん、ですか?」



私の質問に、聖夜さんの表情は変わることはない。


ただ、何も答えない。


しばらく続く沈黙。


そして……。



「それは、キミが1番よくわかってるでしょ?」



そう言って、聖夜さんは私の傍を離れた。




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