「気をつけて帰ってきなよ」

「はぁい」

普通、親が子供に注意するようなことを私が口にするのは不思議な感じがした。

母は嬉々として返事をすると、電話を切った。

3DKのマンションの狭い箱には再び静けさが戻る。

まぁ、母が今日も飲み会なのは想定内だけど。

私は、立ち上がってう~んと背伸びをして、もう一度夜を瞳に映した。

私も出掛けよう。
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