外は、春とはいえ、まだ肌寒かった。

春の夜というのは不思議だ。

少しだけねまっている空気や風が連想させるのは、胃がきゅっと縮こまるような緊張感とこれからなにが起こるんだろうという期待だった。

私はジーンズにパーカというラフな姿で自転車に乗った。

ここからすぐ近くのビデ屋に行くためだ。

1人の夜の過ごし方としては、最高なんだ。
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