飼い犬に手を噛まれまして
気持ちにも行動にもゆとりがあって、自分の限界以上の仕事を抱えてはこないし、とにかく先輩はいつでも余裕がある。
空いた時間を使うのが上手だ。悩んだりはするけど、ストレスを発散させるのも上手。
それは、全部自分に自信があるからで、人一倍努力しているし、輝いてる。そういう所から、先輩の格好良さは生み出されている。
「よし! 今日はここまで」
パタンとノートパソコンを閉じる。それが仕事終了の合図。
「カフェラテいれますか?」
「うん、甘いやつ頼む」
「はい、プッチンプリンも食べます?」
「食べようか。てか、それ紅巴が食べたいんだろ?」
バレてる、あはは、と笑って用意していたお皿に二つのプッチンプリンをのせた。それから、甘くして淹れておいたコーヒーの上にフワフワミルクをのせる。
自分一人の時は、これが頑張った自分へのご褒美だった。フワフワミルクを、ゆったりした気持ちで飲む。
だけど、今はそれをいれてあげる相手がいる。ああ、幸せ!