飼い犬に手を噛まれまして

「ばかっ、まじかよ……」

 叫び声みたいな告白に驚いた先輩は、私を後ろから抱きかかえて部屋の中に入る。


「声デカすぎ……本気で叫ぶとは思わなかった……」

「だって、先輩が言えっていうから……」

 何よ、急に自分だけ慌てた顔するなんて、先輩の意地悪!

 恥ずかしくて顔から火が出そう。


「ははは……アハハハ!」

「先輩……」

「ハハハハハ! あー、紅巴最高だな。今なんて言ってた? もう一回言ってみろよ。聞きたい」


 下着が足に引っかかったまま、床に押し倒された。

 恥ずかしくて、先輩の顔見れない。フイッと視線をそらすけど、先輩は真面目な顔して私をじっと見つめてくる。



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