飼い犬に手を噛まれまして

　そう言って、自然に私の唇奪って満足そうに笑った。


　カメラに追いかけられちゃう恋愛ってどんなのか想像できないけどね。



「コーヒーはいりましたから、離れてくださいね。火傷しちゃいますよ」


「はいはい」


　人数分のカップから湯気があがる。


「それにしても面白いな、あの副社長」


「お邪魔ですか？　それなら、私からはっきりと言いますよ」


「そんなわけないだろ、こっちは普段の業務プラスアルファでＢＮＪがあるんだ。猫の手も借りたいくらいだから、すげぇ助かるよ。それに紅巴がコーヒーいれてくれるしな」


　
「それで一緒についてきて仕事サボってたら、元も子もないですよー先輩」



　先輩のカップにはたっぷりのミルクをいれてあげる。うんと、甘いコーヒーにする。


「あははは、言うな！」