飼い犬に手を噛まれまして
飼い主になりました
────「紅巴が、年下の男の子を飼うなんて超意外っ! ねえ、何するつもり?」
「朋菜! 誤解招くような発言ヤメテっ!」
今日は、お昼休みに会社の近くまで遊びに来てくれた朋菜とランチをしている。
OLに人気のイタリアンレストラン。リーズナブルで本場の生パスタが食べられる店としてテレビで紹介されていたらしい。
そういうことには目ざとい朋菜が、予約してくれて、待ち時間なしで私たちは美味しい生パスタにありつけた。
「だって、大学生の男の子でしょ? ヤりたい盛りじゃないの?」
「と、朋菜!」
隣の席のOLさんが、じろりとこっちを見てきた。当の朋菜は澄ました顔で生パスタをパクリと食べた。
「彼はね、忘れられない彼女がいるんだって! まだ、ずっと好きで、彼女との思い出のアウトドアグッズとか大切にしてるんだよ? だから、そういうことにはならないと思ったの」
「紅巴、ぜんぜんわかってない。それくらいの年の男の子なんて、心と体は別だもん」
「朋菜ぁ……」