飼い犬に手を噛まれまして


 先輩は恐い顔して今まで一度もみせたことのない、荒々しい愛撫を繰り返す。

 スカートの中から侵入してくる手は乱暴に下着を剥ぎ取り床に落ちる。シャツの隙間から、責め立てるように皮膚をいたぶられる。


 冷たい机の上で、それに耐えながら……でも、それが心地いいなんて、私は変態かもしれない。
 先輩の全てが心地いい。
 狭い会議室で先輩だけに許す行為。


「足広げて、自分で持ち上げて」
「えっ……?」

 足を自分で?
 先輩はベルトを外しながら「はやく」と冷たい目をする。

「こ、こうですか?」

 恥ずかしい……今の先輩からは、全部丸見え。

 適度に弄ばれて光る其処が……全部。



「腰、もう少し浮かせて」

「やっ……ああ!」


「そう。自分から俺の求めてみてよ」

 自分から……?
 先輩の不安は、私がちゃんと先輩だけを好きでいられるかどうか。


 先端部分があてがわれた。そこに沈み込むと、すごく気持ちいいのはよくわかっているんだけど……


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