飼い犬に手を噛まれまして


 ビュンビュンと規則正しい音だけが響くワンルームマンション。窓の外には、綺麗な夜景が広がっている。



 星椰の手が伸びてきて、私のシャツのボタンを一つ一つ外していく。


 じれったくて、私は星椰のティシャツを一気に捲りあげた。



「せな………………」



 汗を含んだ衣類が次から次へと剥ぎ取られて、ベッドの下に落ちていく。

 全てが剥ぎ取ると星梛は満足そうに微笑んだ。



「みはる、綺麗」


「や、やめて……そんなマジマジと見ないでよ……」


「なんで? こんな綺麗なのに」


 星梛は、私の足をとると、その甲にキスをした。


「汚いよ、そんなとこにキスしないで……」


「みはるに汚いとこなんて、ない」




< 385 / 488 >

この作品をシェア

pagetop