飼い犬に手を噛まれまして


 足の甲からふくらはぎに向かって、星梛な熱心な口付けを繰り返す。



「本当に……もうやめて……恥ずかしいの」


「嫌だ」


「星梛……」



「みはる、もうちょい足開いてよ。狭いよ」




「そんなこと、できな…………」



 すごい恥ずかしい……なのに、強引に自分の体をねじ込んでくる星梛に、少しずつ言いなりになる自分がいて、足だけじゃなくて心も全部、星梛に開いてる。




「ねえ、みはる」


「な……なに?」



 星梛が艶めいた唇を親指で拭って顔をあげた。

 話なんて後でいいから……はやく……と目だけで訴える。



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