飼い犬に手を噛まれまして

「やめて……朝から」


「みはるの、やめて、は、もっとして、にしか聞こえないんだよ」


 そう断言した星梛は、さらに大胆に私を舐めてくる。


 鳥肌がたつくらい喜んでる私の体と心…………


「これから、ずっと一緒だね。みはる」


「本当に信じられない。星梛なんてボーっとしてそうで、何考えてるか全然わかんないわ」


 でも、そこが好き。と付け足した。


「これから、昼はバイトで、夜はデザイン学校に通いますので忙しくなります」


 私の下唇をぺろっと舐めて、赤い舌を出して笑う星梛。

 ワンコみたいに可愛いすぎて、不安になる。





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