飼い犬に手を噛まれまして
「バイト先にも、学校にも、女の子いっぱいいるでしょ?」
「みはる、ヤキモチ?」
星梛が私を組み敷いて、首を傾げた。
「首輪……つけとこうかなぁ。無理矢理でも、星梛のこと繋いでおきたい。
ずっと私だけのものでいて」
星梛から降る優しいキスに、目を閉じた。
「みはるのヤキモチ嬉しい。
ちゃんと繋いでおいてね? じゃないと、家出しちゃうよ」
「頑張るわ」
狡い。責任を私に転換させた。でも、頷いてしまうのは、私も星梛に繋がれてる証明だ。
嬉しくて頬に流れた涙を星梛が舐めた。
「みはる、今の気分は?」
「飼い犬に舐められまして…………でも幸せ…………」
「俺も! 幸せ」
【おまけSS】
飼い犬に舐められまして
THE END