飼い犬に手を噛まれまして


「お、お仕置き? なんでよ! なんで私がお仕置きされなきゃいけないの?

 い、いいよ。ちゃんと星梛て呼ぶし!」


 先輩にされたお仕置きを思い出して、体の奥がじんと熱くなる。

 日に焼けて少し男らしくなったワンコが、ふわりと柔らかく笑った。



「紅巴さん、結婚してますます綺麗になりましたね」


 でたーっ!


 気をつけよう、これに一喜一憂してると、また振り回される。


「愛されてますからー」



 私は、もう全てが先輩のものですから、と幸せオーラを発する。



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