飼い犬に手を噛まれまして
先輩の弱点
「シャンパン? 大丈夫、大丈夫」とグラスを置いた先輩。
「どうしたの? 紅巴さん」
「先輩、アルコールに弱いのー」
うわーんっ、どうしよう!
さっそく目が座った先輩の長い腕が私の肩にまわった。
がっちりと抱きしめられて、ヒヤヒヤした。
「紅巴……また先輩て言ってるな? そんなにお仕置きされたいんだ……」
「ひぇえ、すみません! ワンコ、ごめん。先輩を寝室まで運ぶの手伝って!」
先輩がビシッとワンコを指差した。
「俺はオマエが嫌いだ。気安く紅巴とベタベタしやがって、何様だ!」