飼い犬に手を噛まれまして
甘く危険な王子様の覚醒
ベンチチェアーの上で脱力してる先輩の顔を覗き込む。
「周渡さーん、ワンコとみはるさん帰っちゃいましたよーっ」
反応なし。
本当にお酒に弱いんだなぁー、私のシャンパンを一口飲んだだけなのに。
先輩の寝顔を観察する。赤みがひいてきた白い肌、長い睫毛、高い鼻筋、薄くて綺麗な形の唇。
見慣れてきたけど、やっぱり何度みてもドキドキする。
それに先輩は、遅寝早起き体質だから一日八時間は寝てる私がこの寝顔をゆっくりと眺められる時はほとんどない。