飼い犬に手を噛まれまして
ワンコの甘い温もり
夕飯ご馳走になるなら、と朋菜がビールやカクテルを買いに行ってくれた。
おかげで三人とも、酔いがまわって、夜遅くまでお喋りに華が咲いた。
話題の中心は、私たちが学生時代の話で、当時流行っていたこととか、遊びに行った場所をワンコに教えてあげたこと。
ワンコと私たちでは、若干時代の誤差があって、年の差を感じては朋菜とガッカリして笑った。
「でも、お二人とも若いですよ。それに俺は年上の女の人の方が好きですよ」
ワンコは、ビールを飲んでも顔色が変わらない。顔を真っ赤にさせた朋菜は「キャハハ」と笑った。
「爽やか草食系って顔して、やだなぁ。もう」
「そんなんじゃないですけど」
朋菜はワンコの背中をバシバシ叩いて、その肩に頭を預けた。