【短篇】幼なじみ
お隣りは恋しい君
「あ。あおっぺ。エッチだぁ~~。」


隣に住む幼なじみ楠井 藤(クスイ フジ)は、上半身裸で、砂糖のように甘い笑顔で私に言う。


「なっ。エッチじゃないもんっ!!」


焦って顔を真っ赤に染めた。


「あはは。ベランダから覗くなんて、普通エッチだよ??」


また甘い藤の笑顔。


藤のチョコレート色の髪と、よく似合う。


藤とは、お隣りさんで小さい頃から一緒だった。

だから、いつ藤を好きになったのかなんて覚えてない。


だけど、藤の好きなところは言えるよ。


のんびりした天然なところ。


眼鏡をかける時の横顔。

お風呂上がりの濡れた髪。


い~っぱいあるから言いきれないくらい。


好きだけど、言えない。

小さい頃から一緒だったんだもん。


今更、恥ずかしくて言えないよ。


それに。


藤は私のこと好きじゃないかもしれないし…。
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