【短篇】幼なじみ
「あおっぺ。お先ぃ~。」


藤が、タオルで髪を拭きながら出てきた。


濡れた髪が、普段とは違う雰囲気を出していて色っぽい。


どうしよう、心臓がもたないかもしれないよ。


藤…、藤…、藤…。


藤の名前ばかり胸の中で呼んで想いだけが募っていく。


伝えたいのに…。


臆病な私…。


「あおっぺ??ぼーっとしてるけど熱あるの??」


私のおでこにコツンって藤のおでこがくっつく。

シャンプーの匂い…。


「熱はないね。どしたの~?入らないの~??」

今、入れるわけないでしょ?


好きな人がいるんだもん。


意識しちゃう。


「あっ!!もしかして、やっぱり俺と入りたかったとか??」


なっ…!?


「な…何言って…!!」


「あははは、うそ。あおっぺは、すぐ本気にするから楽しいよ。」


藤はお腹を抱えて笑ってる。
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