【短篇】幼なじみ
「ばか…。」


「…え??」


私の小さな声に気付いた藤が、笑うのを止めて私の口から続きが出るのを待ってる。


「ばか。ばか。ばか。ばか。」


私は藤に同じ言葉を連呼する。


「蒼??」


「ばか。ばか。すき。ばか。ばか。」


「え?!」


藤が、驚いた顔で困ったような顔をしている。


…っやっぱり言わなければよかった…


そう思ったら…、涙が溢れてきて私は顔を隠した。


「…何も…言ってないよ…。」


俯いたままだから声がこもる。


藤…、ごめん。


困らせてごめん。


心の中で謝る。


藤、今どんな顔してるの…??


………
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