【短篇】幼なじみ
俺と蒼は、違う学校に通ってる。


だけど、駅までは一緒に行く。


「ねえ、手、繋がない?ほら、付き合ってるんだし。」


俺の提案に蒼は、また頬を染めながらも手を差し出す。


俺は、その手をぎゅっと握る。


  あたたかい。


蒼の手は、俺とは違って柔らかい。


その感触に気持ちがどっかへいってしまいそう。

「藤??最近、ぼけっとし過ぎ。学校で何かあった??話聞くよ??」


真剣な表情で蒼が聞いてくる。


「ん?心配しすぎ、あおっぺは。あ~あ、駅…着いちゃったね。」


「んん~…。じゃあね。」


駅のホームで残念そう蒼と別れた。


俺も残念だけど。
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