【短篇】幼なじみ
「まじ!!なんだよ~、早く言ってくれよ。俺、てっきり淋しい夜を過ごしてんのかと。」


どんな妄想だよ。


心の中で、小さく突っ込む。


「へぇ~。そっか、そっかぁ。楠井にも、春が来たのかぁ。長かったなぁ。生まれて17年目の春??」


俺は、吉井を無視して机に突っ伏す。


吉井は、イイヤツなんだけどな…なんて思いながら。


「楠井~。俺、一人でばかみたいに話してるじゃん。」


実際、そうじゃないのか??


俺は、吉井に適当に首を振ったとき先生が入ってきた。


吉井は自分の席に戻るとき、突っ伏してる俺に「どこまでいった??」と聞いて戻った。


言いたいことだけ言っていきやがって…。


俺は、その言葉がひっかかった。


一時間目の授業から上の空で、何も入って来なかった。


どこまでって…。


手を繋ぐまでかな??


あ…抱きしめるまでかな…??
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