【短篇】幼なじみ
案の定、蒼は素晴らしい葛藤ぶりを見せてくれた。


でも、告白されたのは予想外。


しかも、俺を馬鹿呼ばわりしながら…。


それも可愛いかったんだけどね。


蒼が俺の腕の中で顔を上げる。


「藤。あのね、勉強教えて欲しいの。」


あ~残念。


もうしばらくこうしていたかったのに。


「勉強??いいよ、何の教科ぁ?」


そう言うと蒼はスルリと俺から抜け出て机に向かう。


「えっと…ね…。数学なんだけど…。藤の学校では習ったかなぁ??」


「見せて。……あ。これならわかるよ。習ったよ。でも、教えられるかなぁ??」


俺は蒼の部屋の真ん中にある机に教科書を広げて隣同士に座った


「…で、どこわからないの??」


「えぇと、全部。」


蒼…。


可愛いけど…、全部はないよ…。


「ふぅ…じゃあ、まずはこの問題解いてみる??」


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