【短篇】幼なじみ
「次から服着てよねっ!!話って言うのは、ケータイ買ったからアドレス教えようと思ったの。」


私は、初めて買ったケータイを藤に見せた。


「わぁ。買ったんだ。俺、登録一番??」


藤が嬉しそうに笑う。


そんなに嬉しそうに聞かれたらヘンに期待しちゃうよ??


「うん。一番だよ。」


「やったね。俺、一番なんだぁ。ケータイ貸して。俺、打つよ。」


私の手から、ケータイを取った。


あ。藤の手大きい。


藤は、私のケータイに指紋を付ける。


藤が触った証。


私は藤の綺麗な手ばかりを見る。


「はい。終わったよ。」

ケータイの画面を見ると、《楠井 藤》の名前。

私の大好きな名前。


「じゃあ、あおっぺも送ってね。俺も、沢見 蒼(サワミ アオ)の名前を一番にするよ。」


藤は、そう言ってベランダから飛んだ。


私を一番に??


期待しちゃうよ??


藤…。
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