華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
異変
次の日、嘉は城に少し顔を見せてすぐに帰って行った。
「嘉、大丈夫かな…。侑希、昨日なんか言ってた?」
「いいえ、特には何も。」
「そっか…」
「お姉さーん!」
ふわりと抱きついてきたユズキから香った匂いに、眉をひそめた。
「お姉さん、トイレ‼」
「柚、1人で行けんだろ?」
「お姉さん、きてー!昨日、怖い夢見たから…」
ユズキのその言葉を聞いた蓮士も「そうらしい」と言ったから、最初に文句を言った李玖も何も言わなかった。