華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
マスターが制裁を加えることはないけれど、MOONの登録者はほとんど全員が彼に息の根を止められる。
…あの瞬間が私は嫌いだ。
彼の目、表情、そして…言葉。
あれを思い出すと、呼吸の仕方が分からなくなる。
目の前が真っ暗になって、何も分からなくなって……
……私も、いつかあの言葉を向けられるのだろうか。
それだけで私の全てを否定する、あの言葉を……。
「侑希ちゃん?顔色が、悪いけど大丈夫?」
「……っ、ええ…。」
嘉の探るような瞳に、狼狽する自分の姿を見た。