華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
4人が顔色を変えてバタバタと部屋を出て行く。
私もとりあえずついて行った。
蓮士が…どうしたの?
「蓮!」
「ぐ……」
一階の中央付近に人だかりができていて、その真ん中に蓮士がうずくまっていた。
険しい顔をして、頭を抱え込んでいる。
「突然、頭が痛いってうずくまって…」
泣きそうな表情で弘也が私の横に立っている。
「侑希さん…」
「…蓮士は、時々こんなことがあるの?」
「いえ…あんな総長を見たのは始めてッス…」
遠目に見ているけれど、顔が真っ白になって唇にさえ色がないのが分かる。