華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「侑希~、ねみぃ…」
「楓も?どこかの部屋で寝たら?」
「侑希の送迎…俺が行くもん。」
唇を突き出して拗ねたようにそう言う楓を可愛いと思う。
「いいわよ、私もここに泊まる。」
「まじでっ?」
楓は、「侑希と一緒に夜更かしできる!」なんて言っているけれど。
眠たいんじゃなかったのか、と思って苦笑した。
「侑希、このバイクかっこよくね?」
「そうね…でも楓っぽくない気がするわ。」
「そーかー?結都は?どー思う?」
「……なんか違う。」
「…そっかなあ。俺はこれスゲーかっこいいと思うんだけど。」
どうやら楓は最近バイクをどうにか改造したいらしく、いつも雑誌を見ている。
私は今の楓のバイク、結構好きなんだけど。
小さな体にも関わらず大きなバイクを乗りこなしてる。
全体的にシンプルなデザインで桜のステッカーがよく映えるバイクだ。