華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
だんだんと夜が更けていって、日付はとうに変わってしまった。
楓は眠気を通り越してしまったらしく、一階に残っている何人かと騒いでくる、と言って降りて行った。
結都はさっき「寝る」とだけ言って出て行ってしまった。
…だから今、私はこの部屋で一人。
蓮士もまだ目を覚ます気配はない。
一人でいてもすることがないので、蓮士のところに行ってみることにした。
そう、暇だから。
それ以外の考えなんて、本当になかった。