華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「侑希っ!……結都!?」
「楓…、」
幹部室に侑希がいないことを確認した楓は一目散に総長室へと向かった。
そこで目にしたものは。
ベッドに横たわったままの蓮士と、そのすぐ横で意識がない侑希を抱えた結都だった。
そしてその結都も、だんだんと顔から血の気が引いていっている。
侑希を抱えていないほうの手で自分の頭を押さえて必死に耐えている。
そしてその顔は苦痛に満ちていた。
「結都!?大丈夫か!?」
「……ったま、割れそ…っ、」
楓は、結都のそんな表情を見たことがなかった。
見れば、侑希もまた苦痛に耐えるかのような表情で。無表情とほんの僅かな笑みしか見たことがなかったのに。
「…お前ら、どうしたんだよ!?」
蓮士も先ほど痛みを訴えて眠ったのだ。
なぜ、こんなにも…。
なぜ、一日に何人も倒れる?
自分は何ともないのに。
共通の原因があるはずなのに、3人以外は全く何ともないのだから原因がわからない。