華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「…も、」
結都は「無理、」と口を動かすだけで声には出来ずにそのまま意識を失った。
「結都!!!」
普段、無表情を決め込む3人が揃いも揃って意識を失った。
楓は、どうすればいいのかわからず侑希の肩に手を添え結都の体を揺らしてみることしか出来なかった。
「…くそっ!どうすれば……」
嘉と李玖に連絡したとはいえ、そんなにすぐにここまで来れるものではない。
「楓さん…?」
総長室には入れない幹部以下のメンバーは心配そうに、だが部屋には踏み込まずに楓に声をかける。
楓は少し間をおいてから、出入口には顔を向けないまま声をかけた。
「…弘夜、入るの許すから、侑希と結都を寝かせるのを手伝え。」
「は、………」
「弘夜?」
確かに返事をする勢いだったのに。
返事が途切れたのを不穏に感じながら後ろを振り向いた。
…そこには。