華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
そんな少女が出会ったのは、同じ歳の男の子だった。
「そんな影にいないで、一緒に遊ぼうよ。」
無垢な笑顔と、頬についた土。
それが男の子の第一印象。
日の光に照らされて、キラキラと輝いていて、まるでその子が太陽そのものみたいだった。
少女が一目で絆されたのも頷ける。
風はせわしなく吹いていたけれど、少女の思考は笑顔の男の子に奪われていた。
「だれ…?」
「僕はれんじ。にいちゃんもいるよ!君はだれ?」
「はな…。わたしの名前は、はな。」
「はなちゃん!よろしくね?」
溢れんばかりの笑顔に、少女ーーハナもつられて笑顔になった。