華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「本当に珍しい色だな…アルビノか?」
「知らないわ。」
「二人とも痣が残ってはいるがもうじき消えるだろう…。」
「そう。で、いくらになるのかしら?」
「二人で…そうだな、2億でどうだ。」
「…それっぽっち?私は泣く泣く子供を手放すのよ?」
「それが子供を手放す母親の態度とは思えんな。」
「その倍よ。じゃなきゃ手は打たないわ。他に売る。」
何の話をしているのか。少女には何となくわかってきた。
―――売られるのだ、この、2人の男たちに。それも、結都も一緒に。
「…こっちの女のほうはそうだな、もう少し値段を上げてもいいだろう。これだけ完全に色素が抜けてる個体は珍しい。」
「あっそう。」
「男のほうはどうだろうな。金髪金目はアルビノとしてじゃないほうが売れるかもしれん…。」
「それじゃあ5億。」
「…確認をとろう。」