華〜ハナ〜Ⅲ【完結】






「それでは、連れて行く。荷物は。」


「そいつらに荷物は何もないわ。」


「そうか。上野も今日で仕事は終わりだ。うちに戻ってもらう。」


「そうね。上野、世話をかけたわ。」


「いえ。」



どうやら男たちは上野の知り合いだったらしい。


いや、上野が、この、危険な男たちの知り合いだったと言うのが正しいか。



どう見ても一般人ではない男たちは、足音を立てないままに子供2人に近づいた。





「…契約は完了した。お前らにはついて来てもらう。」


「嫌よ…。」




少女は、「嫌」とはっきり言った。


だって、明日は、やっと…。




< 176 / 278 >

この作品をシェア

pagetop