華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「それでは、連れて行く。荷物は。」
「そいつらに荷物は何もないわ。」
「そうか。上野も今日で仕事は終わりだ。うちに戻ってもらう。」
「そうね。上野、世話をかけたわ。」
「いえ。」
どうやら男たちは上野の知り合いだったらしい。
いや、上野が、この、危険な男たちの知り合いだったと言うのが正しいか。
どう見ても一般人ではない男たちは、足音を立てないままに子供2人に近づいた。
「…契約は完了した。お前らにはついて来てもらう。」
「嫌よ…。」
少女は、「嫌」とはっきり言った。
だって、明日は、やっと…。