華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
家の中に戻っていく少女。
結都はあわててそれを追いかけた。
「……あんたたち、どうやって戻ってきたの?」
「…かまわないで、ください。」
「はあ?私はあんたのその顔が見たくないのよ!!」
「今日だけっ!今日だけ、なんです…!」
「ふざけないで!私の目の前から消えて!!!」
叫ぶ母親を背に、少女は自分の部屋へと走って行った。
結都のことは、見えていなかった。
少女は部屋に入ると窓を開け放ち、誰に聞かせるでもなく泣きながら言葉を落とした。