華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
ふと場面が変わり、俺は白い空間にいた。
「おかあさん…。」
切なげな声が聞こえ、後ろを振り返ると白いベットに横たわる母親と幼い俺がいた。
「結都、大丈夫よ。泣かないで。」
「お母さん、痛い?」
「もう痛くないわ。明日には一緒にお家に帰れるからね。」
「うん…。」
ゾクリと背中が冷えた。
何となく、分かる。
この時には母親の死期はすぐ間際まで近づいていた。
俺が、3歳になったばかりのころ。