華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
「………子供?」
「ああ。ここで、面倒見て行こうと思う。」
「はあ?そんなの許すわけないでしょう!!!」
家の中にいたのは、怖い女の人。
目は吊り上がっていて、細い腕はぎゅっと握りしめられていて今にも殴りかかってきそうだった。
「頼む。この子にはもう、母親がいないんだ。」
「子供がいるなんて、聞いてないわ!しかもそんな、そんな…!」
女の人が俺を見る目は、心底嫌悪したそれだった。
「あれだけでも気持ち悪いのに、またそんな…っ!!!」
「……すまない。」
「そんな言葉で許されると思ってるの!?」
怒ってる、なんてものじゃない。
完全に軽蔑した目を向けられた。