華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
夏休み暴走
「侑希!海だぞ!」
「……見れば分かるわよ。」
再び潮の匂いを嗅ぐことになるとは…
それに、日差しが肌に痛い。
「侑希ちゃん、クリームちゃんと塗った?」
「え?」
「はい、日焼け止め。」
嘉はホントに周りをよく見ている。
それに気が利くわ…
バサッと日傘をさしてくれる嘉は、誰が見ても気の利く出来た男だと言うだろう。
「……ありがとう。」
「どういたしまして。俺達も侑希ちゃんにはお礼を言わなきゃいけないからね。」
「え……?」
「海、蓮が一緒に来てくれるのなんて久しぶりだし。」
「そうなの。」
確かに蓮士は私が行くのなら、と言って一緒にここまで来た。
それは結都も同じだったけれど。