華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
次の日。
蓮士と楓はユズキから聞いたことをすべて幹部に話した。
「…ゆず、が…?」
あんな子供まで、MOONには所属しているのかと、みなゾクリとする。
ただその事実を知ったとして、口外する気力は誰にも起きなかった。
余りにもショックなでき事が重なりすぎているのだ。
蓮士には、怪しく思い始めたことがもう一つあった。
それは、自分の生活を管理していた“おば”の存在。
の昔ばなしが本当なら、蓮士には血縁者は暁斗しかいないことになる。
では、アレは誰だ?
血のつながらない人であることは明確だ。
まさか、あの人たちも自分を監視していたのだろうかと思うと寒気がした。
しかし、高校生になった時に今の家を与えられてから連絡を取っていない。
会ってもいないし、彼らが何をしているのかも知らないしむこうもそれは同じだろう。
調べようと思えばできる距離にいるけれど、そんな気は起きなかった。