華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
懺悔と継承
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そして、前々から桜華のメンバー全員に知らせていたその日になった。
その日は喧嘩をするな、予定は入れるなと連絡して、白の1階、大広間に全員が集まっていた。
「よう。全員ってのは、久しぶりだな。」
今日までに、身内の近辺を警護する制度はなくなっている。
嘉の家族は俺たちではなくプロの人間が付いたし、李玖の妹は家の都合か何かで遠い全寮制の学校へと転校している。
何より、紅蛇を壊滅させ名実ともにここら一帯をまとめる大きな集団になった。
華――侑希と出会った頃よりは、かなり治安が良くなったのだ。
そんな制圧活動を下の連中がやってくれていたことに、蓮士は感謝していた。
全員が、揃いの特攻服を纏っている。
夜桜。真っ黒なそれには、満月と桜が浮かんでいる。
なにやら仰々しい刺繍を入れている奴もいるが、その殆どは手の加えられていない、名前の刺繍が入っただけのシンプルなものだ。
普段はでかい抗争や暴走のときにしか着ない、俺たちの戦闘服。
全員がそれを纏っている姿を見て、蓮士は目の奥が熱くなった。
「…今日は、大事な話がある。」
気付いてるやつもいるんだろうな、と思った。