華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
楓と李玖は大勢にまじって海に入って遊んでいる。
そこには弘夜たちもいるらしい。
蓮士と結都は立ててもらったらしいパラソルの下で寝ている。
…海に来てまで寝るのね。
そして私と嘉は砂浜に座り込んで話している、というわけだ。
「ところで、」
「なに?」
「暁斗さんとは何を話してたの?」
え……。
あの日のこと、かしら?
「……別に、楽しいかとか…そういうことよ。」
嘉は、何か知っているの?
だからそんなことを?
「そっか…。あの人、すごく不思議な人だよね。」
「そうかしら…」
「すごくフレンドリーに見えるのに、自分の事は何も言わない、答えない。」
「………。」
「謎が多い人だったな…」
嘉は、観察眼が優れている。
…優れ過ぎている。