華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
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「お嬢様、到着いたしました。」
「…ありがとうございます。」
着いたらしいパーティー会場は、あるホテルの大広間だった。
ただの食事会のようなもの。
まあ、立食らしいけれど…
ラウンジには、私が孫に化けていることなんて知らない彼女の祖父が待っているらしい。
その顔はすでに頭に入ってる。
「ほ…、来たの。」
覚えたばかりの顔に、人を見下したような口調。
初老の老人と私―松宮未也美―の関係はあまり芳しくないようだ。
「…お久しぶりです、おじい様。」
だからこそ身代わりなんか頼んだんだろうけれど。