華〜ハナ〜Ⅲ【完結】
――…
「大丈夫ですか、未也美さん。」
「…はい。ありがとうございます…」
私は今、ホテルの廊かのソファに座り込んでいる。
あの人を見た瞬間、驚きすぎて――
顔色が一気に悪くなったわたしを見た嘉がすぐに広間から出してくれた。
「…ごめんなさい。もう、私は大丈夫ですから。」
もう広間に戻ってはどうですか、そう、私は言った。
「……未也美さん、」
「はい…?」
顔を上げれば、思っていたよりも近くに嘉の顔があった。
……どう、したのかしら。
嘉の表情はさっきとは打って変わって見たこともないような――表情だった。